超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

部屋を出ると、更に会いたい気持ちが強くなり、テラスは走ってアンセムの部屋に向かった。
辿り着き、ドアの前で息を整える。
ノックしようとして、一瞬「やっぱり迷惑じゃないか」という思いが頭を過ぎった。
だけど、会いたい気持ちが勝つ。

トントン。
うるさくないように、少し気を使ってノックした。
数秒後にドアが開いた。

「テラス!」

来訪者が誰だかわかり、驚くアンセム。
いつもならばテラスは寝ている時間である。
当然こんな時間にテラスが訪ねてきたのは初めてのことだった。

「こんばんは」

「どうしたんだ、こんな時間に」

「なんか、急に会いたくなったから来ちゃった」

テラスの言葉にアンセムは思わず絶句してしまう。

「ごめん。やっぱり迷惑だった?」

「そんなことは絶対ない」

キッパリ否定するアンセム。

「とにかく、部屋に入ろう」

「うん。ありがと」

テラスを招き入れた。

「ごめん、寝るところだった?」

アンセムが部屋着に着替えていたことに気付いてテラスは慌てた。

「まだ寝ないよ。テラスと付き合ってからは前より早寝になったけどね」

苦笑するアンセム。

「何か飲む?」

「ううん、大丈夫。ちょっと顔見たくなっちゃっただけだから。すぐ帰るね」

「帰らなくていいよ」

「えっ!」

「テラスなら、好きなだけここにいてくれればいい」

カーっとテラスは頭に血が上った。

「またすごい台詞を言う…」

「あはは。座ろうよ」

2人はソファに座った。