超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「単純に僕はここが好きだった。それが引き受けた最大の理由だな。
ここを気に入って訪れる寮生は、ある意味共通の雰囲気を纏っていて、それも好きだった」

「あの、カイさんがここの後に任される仕事ってなんですか?」

「聞きたいか?」

「答えられない事情があるなら無理にとは言いません」

カイは少しだけ考えた。

「ま、アンセムにならいいだろう。なんだと思う?」

「もったいつけないでください」

困った顔でアンセムは言った。

「面白みのないやつだなー」

「別にそれでいいです」

カイはコーヒーをぐいっと一気に飲んでから言った。

「驚くなよ」

「前振りはいいですから」

「寮長だ」

「やっぱり」

アンセムは特に驚かなかった。

「やっぱりってなんだ?」

「そんな気がしました」

「後からならどうとでも言えるぞ」

アンセムが驚かなかったので、カイはつまらない。

「前にオレがテラスと喧嘩をしたとき、カイさんが色々話してくれたことがありましたよね。そのときから、なんとなく、そうじゃないかって思っていました」

「なるほど。確かに職員同士での情報共有の話もしたからな」

「それだけじゃありません。
テラスと仲直りした後、ルイザさんがカイさんのことをどう言っていたのかも聞きました」

「ルイザが?僕のことを?」

「情報提供する側だと」

「ほほう」

「他にも、思い当たる節が結構ありましたし、カイさんが寮長になっても不思議はないと思っていました」

「さすが、勘がいいな」

カイは素直に感心した。