超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「テラス、夕食は?」

「もう少ししたらアイリと行こうと思ってた」

「時間ないかな?後にしようか」

そう言われてテラスは慌てて首を振る。

「約束してるわけじゃないから、大丈夫だよ。座りなよ」

「ああ、ありがとう」

アンセムはソファに座った。
テラスもその横に座る。
充分な距離をとって。
不自然な距離間に、アンセムはテラスの動揺を感じた。
テラスはどうしてもアンセムの顔を見れない。

『私、アンセムさんとセックスしたことあるんですよ』

『とっても上手なんですよ』

『キスはとろけるようだし、体中触れられるところ全部気持ちいいし、舌はまるで別の生き物みたいに巧みに動くし』

『とにかく頭が真っ白になるくらい気持ちが良くなって、気を失いそうになりました』

『アンセムさんが本気で大切にしているテラスさんだったら、どうなっちゃうんでしょうね』

『恐いんですか?』

『傲慢ですね』

『子どもにアンセムさんは荷が重過ぎだと思います』

ナミルに言われた事が頭の中をグルグル回る。
それと同時に、ナミルの喘ぎ声を思い出す。
そんなときのアンセムを想像してしまい、益々顔が見れなくなる。
想像といっても、わからないことが多すぎて、漠然としたものだが。

部屋に入れてくれたものの、隣に座ると俯いて動かなくなってしまったテラスにアンセムは声をかけた。

「ナミルから色々言われたんだってね」

「え?どうしてそれを?」

「本人から聞いた」

「そうなんだ…」

「嫌な気分だよな。でもテラスと出会って数日後のことだよ」

「うん、それはいいんだ。はっきり言われると、ショックはショックだけど、付き合うとかよりずっと前の話だし。
ただ…」