超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「ああいうタイプは少しくらい煽らないと絶対前に進まないだろうな~って思ったんですよね」

「余計なお世話だよ」

「アンセムさんが如何に上手か、具体的に説明してあげました」

アンセムはテーブルに突っ伏した。

「なんてことを…」

「ちょっといじめ過ぎちゃったかもしれませんね。ごめんなさい」

アンセムはもう声も出ない。
この前の事といい、どれだけ掻き回せば気が済むのだろう。

「でも、テラスさんにメラメラと闘志の火は点いたと思いますよ。それじゃ」

何も言えなくなったアンセムの肩をポンと軽く叩き、ナミルはシンの元へ戻って行った。
ちなみに、シンはナミルに「そこで待ってて」と念を押され、大人しくそれを守っていた。
力関係は圧倒的にナミルが強いのである。

アンセムはとにかく食事を終え、その足でテラスの部屋を再び訪れた。
テラスが何を思っているか、わからない。
だからこそ、顔を見て話す必要があると感じた。
自分はもうテラスを急かすつもりは毛頭ないのだ。
そのままのテラスでいい。
そんなテラスをずっと好きでいる確信がある。
それを伝えたかった。

ドアを叩くと、少ししてテラスが顔を出した。

「アンセム…」

「また来たよ」

「どうしたの?」

「少し話をしようと思って来た」

穏やかな表情のアンセム。
だけどテラスはなかなか直視できない。

「入ってもいいかな?」

「うん…」

だけど、今度は拒否しなかった。
部屋に入る2人。