超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「いい加減にしてくれないかな」

さすがのテラスも怒り出した。
どうして一方的にそんな話を聞かされなければならないのか。

「初めてだったから、もちろん痛かったけど、そんなのすぐにどうでも良くなって、エクスタシーっていうんですかね、とにかく頭が真っ白になるくらい気持ちが良くなって、気を失いそうになりました」

(これ以上聞いてられない!)

テラスはその場を離れようと一歩踏み出した。
しかし、ナミルが行く手を阻む。

「私への気持ちが全くなくったって凄いんですから、アンセムさんが本気で大切にしているテラスさんだったら、どうなっちゃうんでしょうね」

「もうやめてよ!」

「どうしてしないんですか?」

「関係ない」

「恐いんですか?」

そう指摘されてテラスは言葉が出なくなった。

「ただ恐いってだけで応じないって、どれだけ身勝手なんです?」

「うるさいな!」

「アンセムさんみたいに凄い人を待たせるなんて、傲慢ですね。
アンセムさんになら、ただ抱かれるだけでいいって女の人、履いて捨てるほどいるんですよ」

テラスは耐えられず、ナミルをすり抜けようとしたが腕を掴まれてしまった。
ナミルはあえてテラスの耳元で囁く。

「テラスさんって子どもなんですね。子どもにアンセムさんは荷が重過ぎだと思います」

テラスはナミルの腕を振り払って走り出した。

「行っちゃった」

ナミルはテラスを見送りながら舌を出した。
ちょっとやり過ぎたかもしれない。