超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「あっ」

それから数日後、図書館の生物学のコーナーで、テラスはばったりとナミルと鉢合わせをしてしまった。

「こんにちは」

思わず声が出てしまい、いけないと思って慌てて挨拶をする。

「こんにちは」

ナミルも頭を下げて挨拶に応えた。
本人を前にすると、この前のことがリアルに思い出されてしまい、テラスはドギマギしている自分に気が付かれないように、目線を本棚に移す。

「最近アンセムさんといい感じですね」

ところが、ナミルが話しかけてきた。

「そ、そうかな?」

ちょっと驚くテラス。

「でも、まだセックスしてないって本当ですか?」

「はぁ!?」

唐突な質問に、テラスは本棚から引っこ抜いた本を床にバサリと落としてしまった。

「大丈夫ですか?」

慌てて本を拾うテラス。

「なに?シンから聞いたの?」

その言葉にナミルはカチンときた。

「いいえ、違います。テラスさん、シンにそんなこと話すんですね」

「違うよ。聞かれても答えてないのに、勝手に断定されちゃうんだよ」

「勝手にってことは、してるってことですか?違いますよね」

テラスは無言になった。
こういう話題には付き合いたくない。

「私、アンセムさんから聞いたんですよ」

「え!?」

「まあ、聞いたというか、聞き出したって感じですけど」

(このカップルはなんでそればっか気にするかな…)

心の中でテラスはぼやいた。