超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「驚いたか」

「どういうことよ」

「テラスは驚いて声も出ないんだろ」

そうではないのだが、一応首を縦に振っておく。

「いや~、いいもんだねぇ、恋愛は」

「キミ、別人になってるわよ」

ツッコミを入れるアイリ。
シンはアイリを無視してテラスに言った。

「自分次第ってのは本当だな。テラスの言った通りだった」

「え?私何か言ったっけ?」

「忘れたのかよ」

「うん」

「ま、いーけど」

シンはテラスが忘れたことに怒る様子もない。
言葉とは、発した人の思惑は関係なく、受け取った者がどう感じるかだ。
シンはテラスに以前言われた「自分次第」という言葉をずっと覚えていた。
それは少し突き放されたような冷たい言葉であったが、自分で決めるという励みにもなっていた。

「なかなかいいもんだな」

「そっか」

シンの清々しい笑顔を見て、テラスは嬉しくなった。
プライドが高いため、全面には出してこないものの、シンはずっと第三寮の恋愛の波に乗れない自分を気にしていたのだ。
それが、人を好きになり、そして両想いになったことで解決できたのだから、これ程素敵なことはない。

「良かったね、シン」

テラスは心から祝いの言葉を贈った。

「ありがとな」

ニカっと笑うシン。

「幸せそうね~」

アイリが茶々を入れる。

「まぁね!」

思いっきりシンは肯定した。