超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「何か言いなさいよ!」

勝気にナミルはシンを煽った。

「俺は…!」

しかし、その先は言いたくない。
ナミルは自分を見つめ、言葉の続きを待っている。

(くそっ!)

シンは乱暴に自分の唇をナミルに押し付けた。
当然激しく抵抗されることは覚悟していた。
だから、次の瞬間には飛び退くように体を離した。
そのままナミルから顔を背けて立ち尽くす。

「最低」

ナミルが小さく声を出した。
もう、逃げられても追いかける勇気はない。

(終わった…)

シンは、自分の気持ちに気付いたと同時に失恋したのだと理解した。
ところがである。

(これってどういうこと…?)

ナミルは自分自身が信じられない思いだった。
ぶつかるような乱暴なキス。
その衝撃で、歯の部分が唇にあたって痛かった。
なのに、どうして。嫌じゃない。
真っ直ぐすぎるシンの気持ちが伝わってきた。

全然ロマンチックじゃない。
優しくもなければ、リードしてくれるわけでもない。
それなのに、大きく心が動いた。

「ホント、最低」

口から出るのは辛辣な言葉。
シンは叱られた子どものように、俯いて小さくなっている。

「なんなの?これ」

「…………悪い…」

小さな声で謝罪された。

「謝られたって困るわ。どういうことか説明してよ」

シンは口をつぐんで固まっている。

「シン」

名前を呼ばれ、シンは怯えるようにナミルを見る。
そんなシンをナミルは可愛いと思った。