超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「名前なんか知らねー」

これは好都合かもしれない。

「そうよ。だからもう行かせて」

「そいつと付き合うのかよ」

「シンには関係ないでしょ」

そう言ってシンの横を通り過ぎようとしたとき、腕を掴まれた。
そして、そのまま本棚に押し付けられる。

「イタッ!なにすんのよ!」

ナミルはシンに噛み付いた。
その声にシンはハッと我を取り戻す。
だけど腕を放してくれない。

「嫌なんだよ」

「もう、なにがよ!」

「嫌だと思ったんだよ!」

「だから何が!?」

「おめーが!あの男の所に行くのがだよ!」

「ちょっ!ツバ飛んだわよ!」

そんなどうでも良いことを言い返したのは、シンの言葉に拒否する気持ちがなかったからだ。
ナミルはそんな自分に驚いていた。

(このわけのわからない男は、何が言いたいの!?)

いや、普通この展開ならば、自分を好きだということだろう。
しかし、シンに常識は通用しない。
だから、確認せずにはおれなかった。

「なんでそれがイヤなのよ?シンには関係ないことでしょ!」

思いっきり挑発してやる。

「そうだけどよ!」

「じゃあ、いいじゃないの」

「嫌なもんは嫌なんだよ」

「だからどうして?」

「あーーーー!くそっ!ムカツク!」

「意味不明!」

「うるせぇ!」

ナミルが核心を迫ってくる。
シンは取り乱していた。
今、自分の腕の中にいるムカツク馬鹿女を、自分はどうしたいのか。