超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

(この男は一体何がしたいの!?)

ナミルには全く理解できない。

「通してよ」

キッとシンを睨みつけた。
その視線を真正面から受け止めるシン。

「俺にはそんな目ばかり向けるんだよな」

「は?」

唐突な発言に、ナミルはついていけない。

(他の男には、あんなに笑顔を振りまいているのに…)

ナミルはシンに対していつも不機嫌さを隠さない。
それが不満なシンだった。
ほんの数回、自分に向けられたナミルの笑顔をシンは思い出す。
シンはナミルを見つめた。

「もういい加減ここを通して!」

目を逸らすナミル。

(ナミルは俺なんか嫌いなんだ)

シンはナミルの態度に酷く傷ついている自分を感じていた。
なぜ、こんなに落ち込んでいるのか。
この期に及んでシンは答えを出すことを恐れた。

(もう!本当にコイツは何考えてるのよ!)

シンから「そんな目ばかり向ける」と言われて、ナミルは良心が痛んでいた。
確かに、自分はシンに対して一切気を使っていない。
口調の強いシンだが、自分だって充分キツイ言葉を何度もぶつけている。
責められた気がした。

早くこの場から立ち去りたいのに、なぜシンは引き留めるのだろう。
どうして、黙ったままなのか。
ナミルはこの間が苦しい。

「私、これから約束があるの」

だから、嘘をついてでもこの場から逃げようと思った。

「あの男かよ?」

「なによ、あの男って」

「最近よく一緒にいるじゃねーかよ」

「ザキリオさんのこと?」

ナミルはザキリオの存在をシンが知っていることに驚いた。
人に、特に恋愛関係に興味ゼロだと思っていたからだ。