超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「シンの助けなんていらないわ」

ナミルはキッとシンを睨みつけた。

「なにぃ!?」

「シンは私のことが嫌いなんでしょ?」

ナミルからの思いも寄らない言葉に、シンは硬直した。

「どうせ私のこと、男で頭がいっぱいな女だって軽蔑してるんでしょう?」

自分の発言が怒りに火の油を注ぐ。
ナミルの感情は爆発寸前だった。

「実際そーだろが」

「だったら!」

肯定されて、わかっていたのに激昂してしまう。

「私に構わなければいいじゃない!放っといてよ!!」

そしてナミルはシンに背を向け走り出した。

「ま、待て!」

一瞬何がなんだかわからずあっけにとられてしまったが、慌ててシンはナミルを追いかけた。

(なんで追ってくるのよ!)

まさか追いかけてくるとは思ってもいなかったナミルは、全速力で図書館の中を走り続けた。
シンを撒こうとグルグルと本棚の間を曲がる。
しかし、シンが走ってくる足音は一向に遠のかない。
走っているうちに、ナミルは完全に迷ってしまった。
こんなことなら真っ直ぐカウンターへ向かえばよかったと後悔しても、後の祭りなのである。

ついに行き止まりに来てしまった。
ナミルは反射的に振り向く。
そこには、息を切らせて仁王立ちするシンがいた。