超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「誰があんな馬鹿女…」

ブツブツと愚痴を漏らすシン。

「ナミルさんのこと嫌いなの?」

「でーーーッキライだね!」

「本当?」

「は?テラスまでなんだよ」

シンは不機嫌を隠さない。

「あのね…」

テラスは言おうか言うまいか少しだけ迷った。
自分が意見できる立場だろうか。

「なんだよ。言えよ」

「うん…。嫌いな人だったら、見ないと思うんだよね?」

「はぁ?」

シンは意味がわからない。
アイリはテラスの言葉にうんうんと頷いた。

「シンは、ナミルさんを見つけて凝視してたでしょう?」

「なんだと!?」

「見てたんだよ。じっと。だから私もアイリもその視線の先が誰かわかったんだもん」

事実を告げられ、シンは口篭る。

「嫌いな人だったら、見た瞬間目を逸らすと思うんだ」

「何が言いたいんだよ」

「嫌いな人が視界に入るのってイヤじゃない?
だから、見てしまうことはあっても、目が離せなくなることはないと思うんだよ」

「まさか、テラスまで俺が馬鹿女に気があると思ってるののかよ」

「う~ん…。それはわからないんだけど、嫌いとは違うんじゃないかなって。
嫌いじゃないから好きとは限らないし」

「そーだよ。誰があんな馬鹿女」

力いっぱい否定するシン。

「ただね、嫌いじゃないのに嫌いと言い切っちゃう理由、考えた方がいいのかもしれない」

「は?」

「テラス、すごいっ!」

アイリはパチパチと拍手を送った。

「な?なんなワケ?意味不明」

シンはテラスの言葉の意味も、アイリの拍手の意味もわからない。