超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「君、友達いないの?」

アイリは更にふっかける。

「友達だぁ?
あいつら女探しに必死。あんたらみたいに同性でつるんでる方が珍しいんじゃねーの?」

「あ、いることはいるのね。確かに1年目は必死になる年よね。
君も少し頑張ってみれば?とりあえず、服装もう少しなんとかしてみない?」

シンはグレーの半袖Tシャツに黒のハーフパンツ姿だ。

「うっせ!ウゼ!!」

一度は仲裁しようと思ったテラスだが、放っておくことにした。
なんだかんだで会話が噛みあっているようだし。
テラスは気にせず食事を口にする。

「シン君も、その野生的な個性をもっと全面に出せば、魅力になると思うんだけどな~」

アイリは頭の中でイメージを浮かべる。
シンに似合い、且つ彼の独特な雰囲気を光らせるコーディネートはどんなものが良いだろうか。

「大きなお世話だ!」

しかし、シンの声はアイリに届いていない。

お洒落が大好きなアイリ。
生物学にどっぷり漬かるテラスのことを言えないほど、服飾は天職だ。
ブツブツと呟きながらイメージを固めていくアイリをシンは不気味そうに見た。

「テラスのマブダチ大丈夫かよ…」

「あ、いつものことだから。気にしないで」

テラスにそう言われ、シンはとりあえず食べることにした。
アイリはブツブツ呟いてはシンをじっと見て、また思考に耽るの繰り返し。
シンは落ち着かない。

「テラスの周りは変わったヤツばっかりか?」

「え?普通でしょ?」

「変わり者筆頭のテラスから見たら皆普通か…」

「怒らせたいの?」

「べっつにー。遊んでるだけ」

そう言ったシンの目線がふと止まった。
表情が僅かに強張る。

テラスはそれに気付き、シンの目線を何気無く追った。
その先にいたのはナミルだった。
テラスはもう一度シンを見る。
ナミルを見たまま固まっていた。