超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「どうぞ」

アンセムは体を仰向けにしてテラスのスペースを作った。

「うん…」

と答えつつ、座ったままのテラス。

「ほら」

手を差し出されてしまった。
仕方なくその手に応じて、アンセムの隣にぎごちなく横になる。
至近距離にあるアンセムの顔が満足そうな表情になった。
恥ずかしくてくるりとアンセムに背を向けるテラス。
緊張するし動悸は激しくなるし、テラスは全くくつろげない。
アンセムに触れないように姿勢を固定させた。

「つれないな。こっち向いてくれないのか?」

テラスは無言。
アンセムは少し体を起こしてテラスを覗き込んだ。
テラスに半分覆い被さるかたちになる。

「テラス」

「はい!?」

ギシっときしむベッド。
更に距離が近くなるアンセム。
テラスは反射的に振り向いて、その距離間に慌てた。
アンセムはあわあわと取り乱すテラスが可愛くて仕方がない。

「だから、なにもしないよ」

「それでも緊張する」

「あれ?やっぱりしてほしい?」

「とんでもございません!」

「あっはっは」

「からかわないでよ…」

「顔見せて」

アンセムは再びベッドに体を預け、テラスが振り向いてくれるのを待った。
テラスは意を決してアンセムの方へ寝返りをうった。

「ち…近い…」

その距離20cm。
アンセムはニコニコしている。

「テラス、可愛い」

そう呟いて、アンセムはテラスの髪に触れた。
やさしく髪を撫でられて、少しずつ落ち着きを取り戻すテラス。
アンセムの手が心地良い。