超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「どうしてそう思ったんですか?」

「随分と食いつくじゃないか」

「気になります」

カイはナミルの表情を観察する。
単なる野次馬ではないようだ。

「勘かな。僕の勘は割りと当たるぞ」

わざとはぐらかす。

「なんですか、それは…」

ナミルはガッカリした。

「私には、どんな人が合うと思いますか?
アンセムさんを諦めたら、もう何がなんだかわからなくなってしまいました」

心細げな表情。

「そんなこと僕にわかるものか」

「そこを何とか」

アンセムの心理を見事に読んだカイに、なにかアドバイスしてほしいナミルである。

「じゃあ…」

カイはこちらへ向かって歩いてくる人物を見た。

「シンなんかどうだ?」

「はぁ!?」

「やかましいカップリングだが、面白そうだぞ」

「真面目に聞いた私が馬鹿でした!」

いつになくカイが会話に応じてくれるので油断した。
カイはいつだってはぐらかす。
ナミルはツンとそっぽを向いて、くるりと出口へ向かおうと体の向きを変えた。
歩いてくるシンが見える。
シンはちらりとナミルに視線を送った。

またシンガ難癖つけてくるのではないかとナミルは構えた。
しかし、シンはつまらなそうにすぐに視線を逸らし、席に座って本を読み始めた。

「なによあいつ。シカトだなんてムカツクっ!」

思わず愚痴が出た。

「おや~?やっぱりシカトされるほど仲が良かったってことかなぁ?」

カイの茶々をナミルは黙殺する。

「勉強教えてもらったらどうだ」

まだ言うか。

「まさか!それでは失礼します」

ナミルはカイに一礼して図書館を後にする。
カイはナミルの後姿を見つめるシンに気付いていた。