超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「じゃ、僕の誘いにも応じてくれる?」

「軽い人はイヤです」

「キオだって充分軽いと思うけどなぁ」

「ザキリオさんに比べたら、鉄位の重さじゃないですか?」

ズコっとこけるザキリオ。

「僕はヘリウムかい?」

「うふふ。風船に詰めたら浮かびそうですね」

「そりゃ~ないよ」

ザキリオは大袈裟に項垂れた。

「私、本当に好きな人に出会いたいんです」

「え?」

「だから、ザキリオさんみたいに軽~い人はお断りします」

笑顔のナミルだが、瞳が悲しげに見えた。

「もしかして、ナミルちゃんはアンセムさんに本気だったの?」

そう聞かれ、ナミルは少しだけ苦しくなった。

「ザキリオさんには関係ありません」

「あるよ」

ザキリオの声のトーンが変わる。

「本気の相手が失恋中だったら、付け込むチャンスだからね」

ナミルは思わずザキリオを見た。

「また、そういうこと言うんですね」

「本当だよ」

真っ直ぐに見つめられ、ナミルは目を逸らす。

「ナミルちゃんのことは本気。僕にとって、特別な女の子だよ」

特別。
その言葉に、ナミルの気持ちが大きく動いた。

「あの…」

気が動転して、何と答えたら良いのかわからない。
立ち尽くすナミルにザキリオは近づく。

「僕と付き合わないか?」

そして、ナミルがそれに答える前にキスをした。
すぐに唇は離れた。

「少し真剣に考えてみて」

次の瞬間には、いつもの軽いザキリオに戻っていた。
ナミルは無言で俯いた。