「なに?断っちゃったの?もったいない」
と、これはホノカだ。
「ホノカはお目当ての人いた?」
「いるけど…あそこ。女の子に囲まれてる」
ホノカが好きな相手はイチカズという。同じ学年で、そこそこ人気があった。
今も3人の女の子に囲まれ、楽しそうに話している。
「がんばって!一緒に行くから」
「自分はいいの?」
「いいの。まだそこまで復活してないんだから」
「???」
「とにかく、行きましょ!」
ナミルはホノカの手を引いて歩き出した。
すぐにイチカズの前にたどり着く。
「こんばんは。何の話?」
ナミルはとっておきの笑顔でイチカズに話しかけた。
「いや、大した話じゃないよ」
イチカズが答える。周りにいた3人の女の子達は明らかに不機嫌になった。
「そう?すっごく楽しそうだから、混ぜてもらいたくなって来たのに」
「もちろんどうぞ」
イチカズはにっこりと微笑んだ。
笑った顔はとてもチャーミングである。
ナミルは隣で目がハートマークになっているホノカを肘でつついた。
「あ、ありがとう」
ホノカが慌てて言う。
「あっ!あの人…。ちょっと私外すね。ごめんね」
ナミルは唐突にそう言うと、その場を小走りで離れた。
もちろん口から出任せである。
影からホノカを見ると、嬉しそうにイチカズと話していた。



