超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「現実的なところがテラスらしさか」

アンセムは苦笑した。
普通の女の子なら、喜ぶ場面だろうに。

「オレの気持ちだよ」

「気持ちって?」

「テラスになら、何を見られてもいいってことかな。
眠ってるときでも、着替え中でも、友人を部屋に呼んでいるときでも、テラスだったらいつでも会いに来てほしい。
テラスはそうじゃないだろうけどね」

「うん。特に着替え中とか困る」

真顔で答えるテラス。

「ああ。だから持っていてくれるだけでいいんだ」

「う~ん…………………」

少し考えて、テラスは頷いた。

「わかった」

「良かった。嬉しいよ」

笑顔のアンセム。

「人の部屋の鍵だなんて、なんか緊張するなぁ…。失くさないようにしないと。とりあえず、ここに置くね」

テラスは合鍵をテーブルの上にそっと置いた。
その後、2人はコーヒーを飲みながら色々な事を喋った。

付き合って初めての大きな衝突。
テラスにっても、アンセムにとっても、こんなに激しく誰かに感情をぶつけたのは初めてのことだった。
だけど、逃げずに自分の気持ちを伝える努力を忘れなかったからこそ、お互いの気持ちを聞くことができて、そして、前より分かり合えたのだ。
こうして、少しずつ2人の絆は強くなっていくのである。