超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「ありゃどーなってんだ?」

夕食を食べに食堂に来たシンは、周囲の寮生たちがある一点に注目していることに気付いた。
その方角を見ると、テラスとアンセムがいた。
仲睦まじく2人で食事をしている。
周囲の者達はテラスとアンセムが気になって仕方がないようだが、近づく者は誰もいない。
シンは自分の食事を選ぶのは後回しにし、2人の席まで歩いた。

「よ、うまくまとまったってことか」

その声に、にこやかだったアンセムの顔がたちまち不快感に染まる。

「あ、シン。こんばんは」

テラスは挨拶をした。

「これってお披露目かよ。みんな、すっげー見てるぜ」

「え~っと」

テラスは無言で食事を口に運ぶアンセムを見た。

「今2人で食べてるから、またね」

そしてシンにバイバイと手を振る。
アンセムは思わずテラスを見た。
シンもぎょっとする。

「うおっ!テラスが色男に気を遣ったぜ。
少しは男心が理解できるようになったってことか。は~、成長だなー!」

「どういう意味よ」

「愛の力だねぇ~」

構わず茶化すシン。

「いいから、シンは余計なこと言わなくて」

「へいへい。失礼しやした~」

ヒラヒラと手を振ってシンはその場を離れた。
アンセムはやっと表情を和らげる。

「テラス、ありがとう。どうも、あいつだけはダメなんだ」

「ほんっとに、相性悪いんだね」

テラスも気にしている様子はない。

「まあ、シンだからいーよ、別に」

人から嫌われたくらいで動じるほど繊細な神経ではないだろう。