超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「ん…」

テラスから甘い声が漏れる。
頭の芯がボーっとしてくるような感覚。体に力が入らない。
呼吸も忘れてしまいそうで、吐息が漏れた。

ようやく唇が離れる。
崩れてしまいそうなテラスを、アンセムは抱きかかえるようにして支えた。

「テラス」

名を呼ばれ、アンセムを見る。
ドキーン!
テラスの心臓が大きく跳ねる。

アンセムも顔を紅潮させていた。
男の人に使う言葉なのかわからないが、色っぽいと形容するに相応しい表情で、テラスを熱く見つめていた。

「今なら、まだ止められるよ」

それは、最終宣告だった。
テラスは無言で考える。
アンセムは返事を待った。
セックスは恐いけど、今は離れたくない。

「いいよ…」

テラスは答えた。

「本当に?」

「うん。恐くないって言ったら嘘だけど、私、アンセムに触りたい。もっとくっつきたい」

この気持ちのまま、流れに身を任せてみよう。
そう思った。

「うわっ!」

いきなり自分の体が宙に浮いて、テラスは思わず声を上げる。
アンセムがふわりとテラスを抱き上げたのだ。お姫様抱っこである。

「重いからやめてっ!」

「軽いよ」

そしておでこにチュッとキスをすると、アンセムはベッドに移動した。
テラスをそっとベッドに横たわらせと、シャツを脱ぐアンセム。

「わ!ぬ、脱いだ!」

「何を慌てているんだ?」

そう言ってアンセムはテラスに覆い被さる。

「これから全部脱ぐのに」

「だっ、わ、わかってるけど…むぐっ」

言葉の途中でキスをされてしまった。