超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「オレ、できる限りテラスの側にいるよ」

アンセムは感動していた。
そして、ここ数日の自分の馬鹿差加減を、改めて反省した。

「ありがと、アンセム。でも、大丈夫だよ。1人でも」

少し前なら、このテラスの発言もマイナスに受け取っていただろう。
だけど、もう大丈夫。

「それは、付き添いが面倒という意味かな?それとも、オレに手をかけさせないようにと気遣い?」

「両方」

真顔でテラスは答えた。

「テラスらしいな」

苦笑するアンセム。
そうだ、テラスはこういう女の子なのだ。
自由でいて、だけど人の気持ちを決して蔑ろにはしない。きちんと向き合って考える、律儀なテラス。
だから好きになった。

「さて、これからどうしようか。テラス、午後は予定あるのか?」

「ないよ。アンセムは?」

「1回図書館には行かないとダメだろうなぁ」

休憩と言って、それっきりにしてしまった。
それに、仲直りしたことも報告したい。

「急いでるの?」

「いや、時間はいつでも構わないんだけど」

「じゃあ、もう少し一緒にいたいな」

テラスはチラッとアンセムを見て、すぐに俯いた。
どうしたことか、アンセムと一緒にいたくて仕方がない。
さっきみたいに、ぴったりと側にいたい。
でも、そんなことは恥ずかしくてとても言えたもんじゃない。