超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「そうなの?」

「そういうものなんだよ」

「そうなんだ…」

アンセムは離れろと言いたいのだろうか。
だけど、テラスはもっと一緒にいたいと思った。

「くっつかない方がいいの?」

「そうだな、とりあえず、少し距離をとろうか」

「わかった…」

テラスは向かいのソファに移動した。
ホッとするアンセム。

「そうだ。一つテラスに聞きたいことがあったんだ」

気持ちを切り替えるために、アンセムはずっと考えていたことを切り出した。

「なに?」

「テラスはオレが付き合いをオープンにしたいと言ったら、どう思う?」

「オープン?隠すの止めるってこと?」

「そうだ」

勇気のいる質問だった。
なぜならば、そうすることでテラスの当たりが強くなる可能性が高いからだ。
だけど、隠すことなく一緒にいられたら、こんな誤解や衝突はなかのではないかと思うアンセムだった。
それに、単純に一緒にいたかった。
朝食だって、夕食だって、時間が合えば一緒に食べたかったし、コソコソすることなく今日みたいに手を繋いで歩きたい。

「いいよ」

テラスはあっさりと頷く。

「え!?いいのか?」

「うん。嬉しい」

テラスはにっこりと笑った。

「嬉しい?」

「本当は、隠したくなかったから」

「そうだったのか」

驚くアンセム。

「厄介事がない方がアンセムもいいのかなと思って、何も言わなかっただけなんだ」

「いいのか?本当に」

「うん。確かに嫌がらせはイヤだったけど、既にもうあるんだし。だったら、隠しても隠さなくても同じかな、なんて」

あっけらかんと軽くテラスは言う。

「その方がアンセムと一緒にいられるし」

テラスは嬉しそうだ。