超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

(こんなの反則だ!)

可愛いテラスに、アンセムの理性は吹っ飛びそうになる。

「テラス」

名前を呼ぶと、もう一度自分を見つめてくれるテラス。
アンセムはテラス側にあった自分の左腕をソファにかけ、唇だけテラスに触れた。
そうしなければ、また暴走してしまいそうだったからだ。

ゆっくりとアンセムの顔が近づき、そして優しく唇が触れた。
テラスは目を閉じる。
お願いしたとおり、触れるだけの優しいキスだった。
ドキドキする心臓。
フワフワとした感覚。

(ずっとこうしていたいかも…)

アンセムは角度を変えて、優しく優しく、そして長いキスをした。
途中目を開けてテラスを確認すると、うっとりと幸せそうに自分のキスに酔いしれているようだった。
こんなテラスは初めてで、カッと体が熱くなった。
自分を制するために、身を引くアンセム。
唇が離れた。
テラスはそれを寂しく思って、無意識に追いかける。

「テラス、まずいよ…」

「え?」

目を開けると、顔を赤くしてアンセムが身をそらしていた。

(あれ?また何かやっちゃったかな…)

テラスは不安になる。

「歯止めがきかなくなる」

「?」

テラスは理解できない。

「何かおかしいことしちゃった?」

「いや、そうじゃなくて」

なんと説明したらよいのか、露骨に言ってまた怯えさせるんじゃないのか。
男の生理をわかっていないテラスを相手に、アンセムはどう説明するべきか悩んだ。

「また、テラスを恐がらせてしまう」

で、悩んだ末に選んだ言葉がこれだった。