超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「だって、ミユウさんの方が理解できたって言った…」

テラスはどうしてもこの発言にこだわってしまう。
アンセムの本音だと思っているのだ。

「ああ。ミュウの方がわかりやすかったよ」

「やっぱり…」

「オレに何を求めてるのか、すぐにわかった。今思えば、オレの気持ちをよく汲み取って、言わなくても動いてくれていたんだと思う」

ズキン、テラスの胸が痛んだ。

「だから、楽だったよ。でも、楽と好きな感情はまた別物だ」

「え?どういうこと?」

好きだから理解できるし、快適に過ごせるのと思っていたテラスは、アンセムの言葉の意味を測りかねていた。

「相手の気持ちがわかれば、それに応えるのも簡単だ。最終的には体を使えば良かった。
だけど、テラスは何を考えているのかわからないことが多い。どうすれば喜んでくれるのか、オレにどうしてほしいのか、わからないんだ。
オレのことをどれくらい好きでいてくれるのかも、わからなかった。だから苦しかったんだ」

「アンセムのこと、好きだよ!すごく大好きだよ。他の人なんて、考えられないくらい」

テラスは一生懸命訴えた。
何度も伝えているのに、どうして伝わらないんだろう。

「ありがとう、テラス」

アンセムは少しだけ笑った。
テラスはとても久しぶりにアンセムの笑顔を見たような気がした。

「その言葉を、そのまま受け止めればよかったのに、苦しくて見失ってたんだ」

「アンセム…」

「いっぱい泣かせてしまった。本当にごめん…」

「だから、謝らないでよ」

「こんなオレだけど、これからも付き合ってくれないか?」

懇願するような眼差しのアンセム。

「当たり前だよ!」

テラスは即答した。
その言葉を聞いて、ようやくアンセムは少し安心する。

「…ありがとう、テラス」

そしてアンセムは優しい笑顔を見せた。
ああ、こういう時のアンセムが好きなんだ。
テラスは嬉しくて涙が出そうになる。

「私の方が、いつ愛想尽かされるのかって、いつもビクビクしてるくらいだよ」

涙を誤魔化すために、軽口を叩いた。

「そんなことは絶対ありえないな」

アンセムは断言した。

「えへへ」

テラスは笑った。
やっと笑えた。アンセムの前で。