「あの…」
テラスが口を開きかけたとき。
「テラス、ごめん!」
アンセムが深く頭を下げた。
「え?」
いきなり謝られて、テラスは慌てた。
「この前は本当に酷いことをした。最低な行為だった。
すごく後悔してるし、自分が嫌になった」
「ちょ、ちょっと待ってよアンセム」
テラスは慌てて制止したが、アンセムの謝罪は止まらない。
「もう二度としないと誓うよ。だから、許してほしい」
アンセムはひたすら頭を下げた。
「アンセム、お願いだから頭下げたりなんかしないでよ。あれは私から言ったことなんだから、アンセムは悪くないよ。
自分の発言に責任とれない私が悪いんだよ」
テラスは必死に訴えた。
「そんなことはない。オレが一方的に悪いんだ」
「違うよ、だから、とにかく顔上げてよ」
アンセムはようやく体を起こした。
テラスは困り果てた顔をしている。
「カイさんから聞いたよ。テラスが部屋に連れ込まれた話を」
アンセムが話を切り出した。
「え?カイさん?」
それってルミたちから受けた嫌がらせのことを言っているのだろうか。
だとしたら、なぜカイが知っているのだろう。
「テラスが話をした職員さんから聞いたそうだ」
「そうなんだ…」
「そんな辛いことがあったのに、オレは自分のことばかり考えて全く気付くことができなかった」
「それは私が言わなかったんだから当たり前だよ。黙っててごめんなさい…」
シュンとするテラス。
「だからテラスは何も悪くない。カイさんから随分責められた。オレが勝手過ぎたんだ」
「なんでカイさんがアンセムを責めるの!?」
「オレが姑息なことばかりしていたからだ」
「姑息って、何が?」
テラスは本気でわからない。



