超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「テラス」

「は、はい?」

「話がしたいんだ」

「ここで?」

混乱してどうでもいい質問を返してしまうテラス。
アイリは静かに見守っていた。
アンセムは少し悩み、勇気を振り絞って言った。

「オレの部屋でもいいかな?」

断られるかもしれない。
そしたら、どうすればいいのか。

「うん…いいよ。私もアンセムと話したい」

テラスはすんなりと了承した。

「いいのか?」

思わず聞き返してしまう。

「え?どうして?いいよ」

本当は少し恐いけど、それ以上にアンセムと一緒にいたいと思うテラス。

「ありがとう」

そう言うと、アンセムはテラスの手をとり握り締めた。

「え?」

とりあえず席を立ってはみたが、アンセムの行動がテラスは理解できない。

「行こう。アイリ、テラスを借りるよ」

「はいはい」

ひらひらと手を振るアイリ。

「あ、食器…」

テラスが手を伸ばそうとする。

「私がかたしといてあげるわよ」

アイリは早くここから立ち去れと言わんばかりに、もう一度手を振った。

「ごめんね」

「いいから、早く行って。注目されまくってるから」

そうなのだ。
まだそう人の多い時間ではないが、周囲にいる寮生たちは、露骨にテラスとアンセムを見ていた。

「うん…」

アンセムに握られた手を引かれて、テラスは素直に従った。