超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「で、何を不貞腐れているんだ?」

三度、同じ質問をされた。

「別に、不貞腐れていませんよ」

「ほう」

「ただ、自分に幻滅しているだけです…」

本当に、自分はテラスの何を見ていたのだろうか。
いつからこんなに貪欲になってしまったのか。

「ま、本気で好きだから、求めてしまうんだろうけどな。少しは頭冷えたか?」

アンセムを見るカイの眼差しは優しかった。

「………はい」

「じゃあ、作業を続けてくれ。僕はテラスを電話で呼び出してこよう」

「やめてください!」

アンセムは慌てて止めた。

「どうしてだ?」

「どの面下げて会えばいいんですか」

「おやぁ?」

カイはアンセムに顔を近づけた。

「まだ覚悟が足りんなぁ。嫌われるのが恐いんだろう?」

アンセムは顔を背けた。

「テラスもおまえみたいに逃げていたのか?2人して嫌われたくないと逃げ回ってたら、恋愛は成立しないぞ」

アンセムはハッとする。
自分はこんなにも酷い態度をテラスにとっておきながら、テラスは自ら訪ねてきてくれた。

「それに、手伝いをテラスに頼むのは僕の自由だ。もちろん、テラスが来る前に僕の手伝いを断って図書館から出て行くのは、アンセムの自由だ。
そうしたら、シンでも呼ぶか。いつも暇そうだしなぁ」

シンの名前を出されてアンセムはカチンときた。

「やめてください」

もう一度きっぱりと言う。

「テラスのことを教えていただき、ありがとうございました。
ただ、手出しは無用です。オレが自分で動きます」

「そうか」

ニヤリとカイは笑った。

「じゃあ、その仕事はとりあえず1人でやってもらうことにしよう。期限はないから、後は自分のペースでやってくれ」

そう言って、カイは部屋を出て行った。