超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「テラスの反応を伺うのはよせ。回りくどいやりかたは、テラスを混乱させるだけだ。もっとストレートにやれ。拒絶されることを恐れるな。
テラスはおまえを拒否したりしないだろう。嫌なことから逃げず、必死にアンセムに歩み寄ってるんじゃないのか?
その歩みが自分の歩幅と合わないだけで、何をそんなに恐がる必要がある?
どこまで確認すれば気が済むんだ?」

「カイさんにどうしてそんなことがわかるんですか?」

ついにアンセムは言い返す。

「実際テラスからは何度も拒否をされています。
オレはずっと我慢してきました。テラスのそういう奥手なところはわかっているつもりですから。必死でしたよ。
カイさんはそれで気持ちを図るなとオレに言ったけど、泣くほど嫌がられて、どうして自分に自信がもてますか?」

自分の腕の中で苦痛に耐えていたテラスの顔が脳裏から離れない。

「確かに、そこは辛いところだろうなぁ。僕も男だし、求めたくなる気持ちは理解できる。
特にアンセムは、今まで求められる側で、それに応じてきたのだから、愛情と体を結び付けてしまうのも当然かもしれんな」

カイの声は少しだけ柔らかくなった。

「しかしな、大多数がそうだからといって、それがテラスに当てはまるとは限らないだろう。
いや、むしろ恋愛に関してテラスは希少稀なタイプだから、当てはまらない方が多いだろうなぁ。
気持ちがあっても、セックスに至るまでには時間が必要なんじゃないか?」

「どうしてカイさんにそんなことを言われなきゃならないんですか。カイさんはテラスの何を知っているんですか?」

カイの言葉を素直に受け止め難いアンセム。