超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「で、アンセムはなんでそんなに不貞腐れているんだ?」

漠然とした質問だった。アンセムは答えられない。

「では質問を変えよう。テラスとうまくいっていないのか?」

その問にも答えられない。
ほんの1週間前までは、それなりに穏やかな時間を共有していたというのに、ここ数日間で、どうしてここまで拗れてしまったのか。

「テラスが秘密を持ったのが許せないのか?全てを言えと?
でも、言えるかぁ?テラスはアンセムの部屋へ行こうとして、この嫌がらせにあったんだぞ」

「オレの部屋に?」

あれだけ部屋で2人きりになることを警戒していたテラスが?

「テラスを応対した職員の話だと、かなり参っていたようだ。
そりゃそうだよなぁ、本気で人に頬を張られるなんて、普通はありえないからな。
それだけじゃなく、色々と言われたようだ。そういうことを、アンセムに自ら言えると思うか?」

嫌な汗がアンセムの額を伝う。

「そう言えば、アンセムとミユウの復縁話が盛り上がったのも、同じ日だったかもしれんな。いや、あれは凄かった。おまえらの注目度を再確認したよ。
しかし、テラスはどんな気持ちだっただろうなぁ」

やっとシンの言葉の意味を理解した。
不愉快な男だが、悔しいことにテラスの気持ちを良く考えていたのだ。
そして、シンは自分よりもずっとテラスを理解していたのだ。