超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「やっぱり、聞いてないよなぁ…」

「テラスはカイさんには話したんですね?」

「いや、誤解するなよ。こういう情報は職員同士で共有している。
テラスは自力でその女の子達を一喝して出てきたそうだ。寮長に全て話す、とね。
そしてそれを実行した。夜の出来事だったから、宿直の職員が対応したようだがな。僕はその職員から話を聞いた」

「そんなことが…」

テラスは想像を絶する嫌がらせに遭っていたのだ。
自分のせいでテラスを巻き込んでしまったことがアンセムはショックだった。

「一昨日の立食会で、テラスは誰にされたかを職員に知らせたそうだ」

確かに、あの日はテラスの横に職員がいた。
そういうことだったのか。

「と、これが僕の持っているテラスの情報だ。次はおまえが喋る番だぞ、アンセム」

「カイさん、誰がテラスにそんなことを」

「それは言えないなぁ。僕が教えてやれるのは、テラスのことだけだ。
そのおっかない顔を見たら、尚更教えられん」

カイは顔が腫れるほどと言った。
あの日の夜、テラスが会うのを拒まれたのは、それが理由だったのか?
そう言えば、その少し前、夜遅くに部屋を訪ねたときは、驚いてはいたようだが、すんなりと通してくれた。