超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

(何をやってるんだ、オレは!)

それでも止められない。
今度はテラスの足に触れた。

「ひっ…!」

小さな叫び声をあげるテラス。
ぎゅっと閉じられた目から、うっすらと涙が滲んでいた。

(そんなに嫌なのか…)

アンセムは歯を食いしばり、精神力を振り絞ってテラスから離れる。

「え…?」

急にアンセムが自分から離れて、テラスはわけもわからず目を開いた。
アンセムはテラスの乱れた着衣を直すと、ベッドから降りた。

「違う」

「アンセム?」

「オレが求めているのはこんなことじゃない。これじゃ、無理矢理犯すようなものじゃないか」

テラスも身を起こす。

「テラス、もう帰ったほうがいい」

「え…、や、ヤダよ」

「お願いだから、帰ってほしい」

アンセムは自分を見てくれない。

(私、また間違っちゃったのかな…)

自分の精一杯を伝えたかったのに、目の前にいるアンセムは、もっと苦しそうな顔をしている。

「わかった…」

テラスはアンセムの部屋を出た。
どうすればいいんだろう。違うと言われてしまった。
他に、自分の気持ちを伝えるにはどんな方法をとればいいんだろう。
不安だと言うアンセム。
それを取り除いてあげることは、自分にはできないのだろうか。
テラスは呆然とするのだった。