超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「あなたにあげるわ」

「いや、それはちょっと…」

「別れ話のときに、アンセムには返してくれって言われたんだけど、駄々をこねて無理矢理預かったままにしたの。だけど、私にはもう必要ないから、テラスが持っていて」

「勝手にそんな大切なもの預かれません」

テラスは慌てた。

「いいのよ。あなたで。これでアンセムの部屋に押し入っちゃえばいいわ」

「なんてこと言うんですか」

テラスは決して鍵に手を伸ばさない。

「今のアンセムは、殻に篭っちゃってるみたいだから、こじ開けないと会えないかもしれないわよ?」

「いや、でも…」

「テラスが顔を見せれば、アンセムは絶対喜ぶわ。その気持ちが素直に顔に出るかはわからないけど」

そう言って、ミユウは席を立った。

「あの、本当に困ります」

テラスも慌てて席を立つ。

「アンセムには、私があなたに返すように頼んだって言っておいてね」

「ミユウさん」

「じゃあね。私はリーオンのところに帰るから。テラスも頑張ってね」

綺麗な笑顔を残し、ミユウは行ってしまった。

「ど、どーしよー…」

テラスは鍵を見つめた。
このままここに置きっぱなしにするわけにはいかないわけで。
しばらく鍵とにらめっこをしていたが、意を決して手に取った。
とにかく、もう一度アンセムの部屋に行ってみよう。