超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「とても綺麗だったわ。やっぱり、アンセムにはミユウしかいないって思った。
あなた、2人のキスシーン見たことないでしょう?あれを見てたら、あなた程度の人が、アンセムに近づこうとは絶対思えないはずよ。常識を持っていれば」

テラスは2人のキスシーンを1度目撃したことがある。
それは付き合うより前、まだアンセムと知り合って間もない頃のことだった。
確かにあまりにも綺麗だった。

今日の朝、2人がキスしていたという話は初めて聞いた。
本当だろうか。
本人に確認しなければ、信じる気にはなれなかった。
色々なことが頭の中を駆け巡る。

「ふん、少しは堪えたかしら」

女は満足そうに笑った。

「わかったら、『もうアンセムには近づきません』ってここで誓って」

無言のテラス。

「ちょっと!聞いてるの?!」

「え?」

聞いてなかったのだ。

「本当にムカつく女ね。いいから、もうアンセムには近づかないと約束しなさいよ!」

「どうして?」

思わず聞き返してしまうテラス。

「あなた、今までの話全部聞いてなかったの?」

「聞いてたけど、そんなこと約束できません」

バシン!
女はもう1度テラスを叩いた。