超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「しばらくってどれくらい?」

『そうだな…とりあえず2週間位でどうかな』

(2週間も…)

テラスにとってはとても長く感じた。
だけど、アンセムがそう言うならば、そうした方がいいのかもしれない。
了承するしかないと思い、テラスは頷いた。

「うん。わかった」

あっさりと自分が提案した2週間をテラスが受け入れたので、アンセムは悲しくなった。

『じゃぁ、とりあえず2週間』

自分で言っておきながら、2週間という期間の長さに途方に暮れそうになるアンセム。

「うん」

『電話はするから』

「私もする」

『何かあったら、今度はすぐに教えてほしい』

「うん。アンセムに相談する」

『案外すぐに図書館でバッタリ会うかもしれないな』

本当はバッタリではなく毎日約束して会いたいアンセムである。

「私、図書館行くのなるべく控えるね」

だから、テラスの返事にひどく驚いた。

『どうして!?』

「実は、この前後付けられちゃったんだ。図書館でアンセムと私が会ってるの知れ渡ったら、カイさんにも迷惑かけちゃうよ」

「そんなことがあったのか…」

動揺を隠せないアンセム。

「早く噂がなくなるといいな。本当は私…」

『なんだ?』

「ううん、じゃあ、また電話するね。起こしちゃってごめんね」

『テラス』

電話を切ろうとするテラスを、アンセムは思わず引き留めていた。

「なに?」

『オレは心配だよ…』

気弱な声を出してしまう。
あまりにアッサリし過ぎるテラスと2週間会わなかったら、自分などさっぱり生活から削除されてしまいそうだ。
それに、既に噂が出回っているから、テラスが酷い嫌がらせを受けるかもしれない。
側にいたい気持ちが強かった。
会わない方がいいという自分の発言を撤回したかった。

「あはは。大丈夫だってば。じゃぁ、またね」

『ああ…』

そんなアンセムの心中を知らないテラスは、明るく電話を切った。