超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「何か飲む?」

「あ、ああ…お構いなく」

「お茶入れるね。座ってて」

「ありがとう」

アンセムはソファに座った。
拒絶されるかと思ったが、そんなことはなく拍子抜けだった。
久しぶりのテラスの部屋は、以前と特に変わったところはないようだ。
テラスはパジャマ姿でお茶を入れている。
パジャマのテラスは初めてなので、思わず観察してしまった。

「はい。どうぞ」

「ありがとう」

テラスは向かいのソファに座った。

「何かあったの?」

いつもの調子で聞いてくるテラス。
やはり自分の考えすぎなのだろうか。

「テラス、何かオレに言うことはないか?」

「え?言うこと?」

そう言われてテラスは考えた。

「なんだろう…」

思わず呟く。
やっぱり嫌がらせのことだろうか。明日言おうとしていたことだし。
でも、アンセムがこういう聞き方をするのはどうしてだろう。
アイリが話したのだろうか?
テラスはアンセムを見た。
楽しい話題ではないことは、表情ですぐわかる。

「それって、噂のこと?」

「ああ」

アンセムは頷いた。

「それで、また嫌がらせを受けているんじゃないのか?」

「…うん。少しね」

アンセムはテラスの返答にショックを受けた。

(ああ…事実だったのか…)

「誰に?いつから?」

つい口調が強くなってしまう。

「え~と、本当につい最近。
誰にって程でもないし、そんなに気にならないような程度だから大丈夫だよ」

テラスは笑顔でパタパタと手を振った。
しかし、アンセムの表情は険しいままだ。