「こころ、数学のテスト範囲ってなんだっけ」
みなさん、テスト期間です。ちなみに、テスト期間は入学当初から変わらないし、2週間前から各教科の先生方は、テストの範囲を授業中、仔細に教えてくれている。だからこそわたしは更紗の言葉に驚いた。
「更紗、来週からテストなのに、今から勉強始めて大丈夫なの?」
テストを目前に控えているのに範囲すら知らないのは更紗の授業態度が不良なだけである。咎めながら、机の中に仕舞った教科書類を取り出した。更紗はへらっと笑い、白い歯を見せる。
「大丈夫。テストは気合!」
「そうかなあ。気合いじゃどうにもならないよ」
「そうだ!じゃあ、こころが教えてよ!」
「だめ、日凪は俺に教える」
「え!?」
いつから居たのか、綺惺くんが更紗の背後からすっと顔を出した。ていうか綺惺くんに勉強を教えるっていうのも初耳だし、会話はあまりしないって約束したのに、綺惺くんは簡単に約束を反故にする。
「そうだったの?じゃあ早く言ってよー」
更紗は簡単に諦める。それでも友人代表なのか!って問い詰めたいけれど、先に、綺惺くんだ。



