そして僕らは愛を手に入れた

 すると、綺惺くんは、しばらく思考を張りめぐらせたようにだんまりとし、それから口を開いた。

「寝落ち通話とか」
「へえ、付き合ってあげるタイプなんだ」
「プリも撮るし」
「え!本当に!?」
「あと、写真とかめっちゃ撮る」

 淡白そうに見えて、案外彼女を大事にするタイプらしい。

「昼休みは一緒」

 綺惺くんと知り合ってずいぶん経つけれど、やっぱり知らない意外な一面に心の中でメモを取っていれば、元恋人との" 当たり前 "をなぞるので「え!」と、驚くのは必然。

「移動も当然一緒」
「(そうだった?)」
「登下校も一緒」
「嘘でしょ?」
「休みの日も一緒」
「……」

──……これは、わたしを揶揄っているだけでは??

 綺惺くんの思惑を汲み取ったわたしは非難に満ちた怪訝の目を向けた。しかし彼は私を宥めることも、機嫌を取るわけでもなく、ただ綺惺くんは楽しそうにする。

 綺惺くんが笑うたびに、空洞の心に幸せが満ち満ちるのを感じる。生き返ってよかったと、その喜びを噛み締めるのだ。