そして僕らは愛を手に入れた

 大人しくしたいのだ、わたしは。生き返ることが出来て万々歳で、人生に、これ以上の波乱は不要。
 コミュニティで生き残るには、弁えることが肝心。慎ましく、穏やかに過ごしたいわたしにとって、見るだけで幸せだった綺惺くんとの接点。

「……必要以上に喋らない」と、苦し紛れの発言を、綺惺くんはすぐさま「なんで」と、追求する。本日の望月綺惺はなんで星人。かわいいけれど、いまはやめていただきたい。

「私の安寧のために!」

 二つ以上の意味合いを込めて口を開くと、綺惺くんは無表情のまま、わたしの両肩に自身の腕を預けるように、だらりと乗せた。

「たった今、俺の安寧が脅かされている」

「え!?どうして!?」

「なんでだろうね」

本当に、どうして?

 綺惺くんは、告白避けのためにわたしと付き合った。イコール、わたしが彼女の間、彼の安寧は約束されているようなものだ。

「喋らないって、たとえば?」

 まったく、噛み合わない。わたしは綺惺くんの安寧の心配をするけれど、綺惺くんはわたしの発言の方が気になるらしい。

「たとえば……うーん、」

 無計画なわたしは、当たり前になやむ。