そして僕らは愛を手に入れた


わたしなんかに、疑いの目をむける、そんな綺惺くんのビジュアルも優勝していた。隠し撮りするんじゃなくて間近で撮らせてもらった方が絶対にいいのに、と、何度目かの同情をするし、あんなふうに隠し撮りされ続けているのなら、こんなに綺麗な顔も隠したくなるよね。

じいっと見つめていれば、綺惺くんは私の頬をむぎゅっと思い切り摘んだ。

「何か喋ろよ」
「あっ、ごめん。うっかり見惚れてた」

本音を告げ舌をペロリと出すと、綺惺くんはゴミを見る目をわたしに向けた。わたしの評価はその程度である。

改めて視線を街並みに戻し、足をぶらぶらとさせた。

「わたしね?去年、大事故しちゃったでしょ?」
「奇跡の生還者」
「そう。奇跡が起きたの。あの時わたし、決めたの。後悔しないように生きるって」
「ふーん」
「で、わたしはさ?ある人と一度でもいいから話したいな、と思ってたから話した。仲良くなれた。遠くで見ているだけじゃ、伝わんないんだよね」

ぽつり、ぽつりとひとりごちると「ある人ってダレ」と、綺惺くんは追求するので「まあまあ、そこは見逃して」と笑って逃亡した。