そして僕らは愛を手に入れた

「それにどうせなら、もっとビジュのいい写真を撮らせてもらったほうが良いです、絶対!だから消そ」
「わかったわかった〜。はい、これでいいんでしょ」

 ひらり。隠し撮りしていた女子が自身のスマホをわたしに向け、写真のフォルダーをみせた。ほんとうに消えていた。

「(わかってくれた……!)」

「ありがとう!」

 胸がすく思いがしてお礼をいえば、彼女たちは、無味な表情をこちらに向けたと思えば、背を向けた。よかった。わたしが、綺惺くんの安寧のひとつを守れたのだ。

 一息つく間もなかった。

「なにあれ、うざ」
「ファン代表?きも」

 それはわざと、聞こえるボリュームで放たれた不満。

「(うう、わかってもらえてない〜……)」

 肩を落として綺惺くんの元へむかって、パーカーを脱ぐと汚れを落とした。

「ともだち?」
「知らない人。これ、やっぱり返すね」
「返すとか返さないとか、日凪はいそがしいな」
「うん。今日家に帰ったら、ちゃんとカーディガンさがす」

 綺惺くんは何も言わずにパーカーを受け取る。

「さっきのやつに何か言われた?」
「ぜ〜んぜん!」

 笑い飛ばす。綺惺くんはわたしに疑いの目を向ける。わたしも負けじと見つめ返す。綺惺くんの視線は、伺うと言うにはあまりに鋭く強いそれだ。