そして僕らは愛を手に入れた

「ねえ、さっきの告白?」

 会話が途切れたのを見計らって疑問を告げる。

「そんなとこ」

 曖昧な回答は彼の興味のなさを示していた。

「付き合ったの?」
「んなわけ」
「綺惺くん、前の彼女と別れたのいつだっけ」
「さあ。3ヶ月くらい前?」

 綺惺くんは彼女が途切れないタイプだ。かわいい、美人、スタイルがいい、あらゆる美女ばかりで、校内で彼女と戯れる綺惺くんもまたかわいくて眼福なのだ。けれども、今回はフリーの期間がながい。

「最近、彼女作らないね?」
「前回ので懲りた。彼女はしばらくパスで」
「綺惺くんは、彼女の管理がへたくそだもんね〜」
「その点、日凪は楽でいいわ」
「でしょ」
 
 褒められたのか疑問だ。彼は全方向から寄せられる好意にうんざりしている節がある。その言葉は、すなわちどうも思われていないことを示唆している。

 わたしが死んでしまったのも彼によるもの。それから、わたしが生き返ったのも彼に関すること。

 彼からの影響は認める。認めた上で、彼が息をするかのように異性に及ぼす、ある種災害のような恋のいぶきの影響を、わたしが受けることはない。


 なぜなら、この先綺惺くんに好意を寄せることはない。これは自信を持って言い切ることができる、絶対だ。