そして僕らは愛を手に入れた

 ずいぶん日も短くなってきた。夕焼けは毎日知らない顔を見せ、靴箱もまた知らない色で染められている。
 
 靴箱で靴を履き替えて校舎を後にした。カナリアのような鮮やかな黄色が真上からはらりはらりと落っこちる。夕焼けとイチョウの葉。

「(……あ、)」

 その景色を眺めていると、体育館と校舎の間の通路に見知った顔を見つけた。こっそりと体育館の脇に移動して今日の終わりに望月綺惺を摂取しようと試みる。すると、彼が一人では無いことに気づく。

 一緒にいるのは見知らぬ女子。なにをはなしているんだろうなんて野暮な予想で、女子がまとう、甘ったるい空気感を見れば目星はついた。おそらく告白だ。

 綺惺くんは女子を置いてこちらにむかって歩いてくる。まずい。覗き見していたことがばれちゃう……!!!
 
「……なにしてんの」

 しかし虚しく、あっさりと見つかってしまう。
 
「べ、べつに!いま帰ってるとこ!」

 嘘ではない事実を言い訳にする。
 
「ふうん。つか帰るの遅くね」

 綺惺くんはわたしのうそも、本音も、どうでも良さそうなので、肩に乗せた緊張を振り落とす。