「えっ、誰……」
私の呟きに、最後尾だったはずの私の後ろに座っていた男子が顔を上げた。
「うわっ、とうとう気づかれたか」
「えっ、えっ、本当に誰⁉︎」
「そこ、静かにしなさい」
先生に注意を受け、口を噤むしかなかった。
けれども、私はパニックだ。
生徒がひとり増えてても、先生は気にしないの?
それとも先生は知ってたとか?
あっ、岡田くんも知ってたんだし、そうかも!
それなら、納得がいく……
はずがない‼︎
だって、それならどうして私は知らないっていうの?
来る日も来る日も学校に来ている。
授業をサボったことも、居眠りをしたこともない。
クラスメイトが増えるという大きな情報を、聞き逃しようがないのだ。



