「ユア⁉︎ 目が覚めたの?」
お母さんだった。
半狂乱になって泣き始めた。
「よかった、本当に!」
「お母さん、ここはどこ? 私、ついさっきまで学校にいたはずなんだけど」
「病院よ。覚えてない? 下校中に交通事故に遭ったのよ。あなたはずっと意識がなくて、入院していたの!」
「病院? 交通事故? そんなはずないよ。私、毎日学校通ってて、今の今まで……」
お母さん目頭を押さえながら、『うん、うん』と頷く。
「夢を見ていたのね。眠っている間もツラい思いをしていなかったのなら、それは何よりだわ。学校もすぐってわけにはいかないと思うけど、また通えるようになるはずだから」
「その学校に……」
「うん?」
「……ううん、何でもない」



