「だから、僕には何も望まないでって」
「私はライムくんが好きだから、それは無理! 私のこと『好き』っていうのは嘘だった?」
「嘘じゃない‼︎」
「だったら、してほしい」
脅迫めいたことを言ってしまった。
けれど、どうにも止められなかった。
せっかく両思いになれたはずなのに、友達のままで停滞していたくない。
黙って見つめ合ったのち──
「……くそっ!」
ライムくんらしくない乱暴な言葉が、小さく吐き捨てられた。
「そんなにしたくないなら、もういいよ」
「したいよ。だけど……」
「何が問題なの?」
私はぎゅっと唇を噛んだ。
「やめなよ」
ライムくんが、いつかの私以上に眉尻を下げた。
そうして、指先で私の唇に優しく触れた。



