「ユアは理系?」
「たぶん……?」
「なんで疑問形? 将来に直結することなんだから、しっかり考えなよ」
「そうだよねー」
そうなんだけど……
来年度なんて、まだまだ先のことのように感じられてしまうのだ。
ましてや将来のことなんて、遥か彼方過ぎる。
霞みまくって、何の展望も見えない。
「そんなことより数Aのノートだったよね」
私は背負っていたリュックを前にかけ直し、チャックを開けた。
借りたノートを先に入れてから、中をゴソゴソと探った。
「ええっと、どれだ?」
私は、全教科同じノートを使ってしまっている。
だから、自分で表紙に書いた科目名を、1冊ずつ調べていかないといけないのだ。



