聞きながら、別のことも考えているに違いなかった。
ちょうど今だって──
「ライムくん!」
唐突に名前を呼んでみた。
ライムくんの考えていることは分かっている。
そして、私もそれを期待している。
真剣に目で訴えた。
ライムくんは困ったような顔をした。
「……そんな目で見ないでくれる?」
私はすかさずその単語を発した。
「キス、」
ライムくんは目を大きく見開いた。
「してくれるなら目は閉じる」
我ながら大胆なことを言ったと思う。
「私はライムくんとキスしたい」
ライムくんも同じ気持ちでしょ?
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