それでもその不満をライムくんにブツけられないのは、ライムくんがこの世の終わりを思わせるほど、哀しそうにしているからだった。
思わせぶりな態度を取って悪かった、とでも思ってるの?
もはやライムくんのことが分からなくなっていた。
「あーあ、ひとりでわらび餅ドリンク飲みに行こっと。抹茶と苺ミルクのどっちにしようかなー」
机の横のフックにかけてあったカバンを取った。
そのときに、やや前傾姿勢になってしまったせいで涙が溢れ落ちてしまった。
ライムくんは何も言わない。
ライムくんの顔を見ないようにして、教室から逃げ出したのだった。



