昨日あれからどうだったのか、訊かれることを覚悟していた分、肩すかしをくらった気分。
でも、何も分かっていない上に、怒らせたままで放置しているこの状況では、報告できることはひとつもない。
だから、それは有り難いことでもあった。
──お弁当はとうに食べ終わっていたけれど、おしゃべりはずっと続けていた。
「あっ!」
マイカがぱっと腰を上げた。
「イス借りてた。返すね」
お昼休みの終了時間ぴったりになって、ライムくんが戻ってきたのだ。
マイカはそそくさと自席に帰っていった。
「あー……」
咄嗟のことで、すぐには言葉が出てこない。
ライムくんは、こっちを見ようともしなかった。
拒絶されているのを感じた。
それでも、このまま諦めてしまいたくない。
廊下を歩いてやってくる5時限目の先生が、視界の隅に映った。
教室の前方から入ってくるまで、残り数秒ってところだ。
「あとで! きちんと謝らせて!」
そう伝えるだけで精いっぱいだった。



