ほかのクラスメイトたちは、『何だ?』と、私ライムくんの様子を遠慮がちに窺いつつも、教室をあとにしていく。
その中でライカだけは、にんまり笑顔で親指を立ててきた。
けれど、返事なんてしていられない。
その隙に逃げられたくなかった。
「話をしたいの」
「話……」
「話というか質問がいっぱいあるの!」
「痛っ!」
「あっ、ごめんなさい」
ライムくんの腕を掴む手に、つい力が入ってしまった。
「もう逃げないから、離してくれない?」
確かにライムくんは観念したのか、さっぱりした顔をしている。
ゆっくりと拘束を緩めた。
その間も、私はライムくんを見ていた。
目すれすれの長さがある重い前髪。
その下の目は切れ長の奥二重だ。
そして、すっきりした鼻と薄い唇。
なるほど、マイカが『線が細そう』と言ったのも頷ける外見だ。
それと、まあ、確かにイケメンの部類に十分入る。



